東京高等裁判所 昭和54年(ネ)597号 判決
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【判旨】
一本件土地の不動産登記簿表題部所有者欄には、「京城府光化門通一 朝鮮総督府内、財団法人朝鮮総督府部内職員共済事業後援会」との記載がなされていることについては、当事者間に争いがない。
二控訴人は、後援会が法人格を有しない権利能力なき社団であつて、登記簿上後援会が財団法人と表示されているのは誤記によるものであると主張し、<証拠>によれば、後援会が法人格を有していたかどうかについては、厚生省、外務省、自治省に現存する記録からの調査では明らかではなく、<証拠判断略>。
却つて、<証拠>によれば、本件土地の登記簿は戦災により焼失し、法務大臣の定める滅失回復登記期間内に回復手続がとられなかつた結果、昭和三五年不動産登記法の一部改正による登記簿と土地台帳の一元化の実施に伴い、土地台帳の記載が登記簿の表題部に移記されたものであるところ、改正前の不動産登記法第一一条によれば、土地台帳への登録は、不動産に対する所有権移転登記がその前提となつているものであつて、本件土地に後援会名義の所有権移転登記がなされるに当つては、後援会が財団法人であることを証する書面を提出させて、その申請を受理したものと推認するのが相当であるから、後援会は、財団法人としてなお存在しているというべきである。
(鰍澤健三 野崎幸雄 佐藤邦夫)